ナイス美術館vol.2レポート
2023年3月21日 春分の日、
HARETOKEが主催するパーティ「ナイス美術館vol.2」が開催されました。
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ナイス美術館とは・・・
京都市中京区を拠点とする創作アトリエ HARETOKE(ハレトケ)のアートワークショップ「ナイスラボ」の一環事業であり、アトリエ利用者の4歳から18歳の子どもたちの作品展示を主体とした地域交流を目的にしています。
イベントはタイトルを含め、ロゴのデザインや開催内容、当日の運営スタッフまでを子どもたちを交えて企画実施しています。
HARETOKEはコミュニケーションを生み出す現場づくりそのものを芸術活動の一環と考え活動しています。芸術表現は自分の心や考え方を伝える道具のひとつです。
芸術は、
・評価や否定を必要とせず
・誰でも参加可能で
・自己を見つめる内省の手段と、発信方法を選択可能な
コミュニケーションツールです。
ナイス美術館は、マイノリティーや課題に直面している方々が意識共有できる居場所であり、行政や地域と連携しながら課題解決を考えるHARETOKEが目指す本質的な場でもあります。誰でも参加可能で肯定的な場所づくりの一環として周知いただけますと幸いです。
またHARETOKEは参加者のプライバシーを守り被暴力サバイバーの居場所としての側面を持ちます。思想や感性が搾取や操作されることのない・暴力や圧力が必要ない現場づくりを目指しています。ナイス美術館では場内撮影禁止とし、スタッフ以外の参加者には画像修正をして写真を公開いたします。当日撮影禁止にご協力いただいたことをスタッフ一同よりお礼申し上げます。
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では、当日のレポートいきましょう!
2023年3月21日、火曜日。春分の日。
お天気は晴れから一転、お昼から雨予報。
企画チーム担当の子ども7人とHARETOKEスタッフ4人は、朝からアトリエに集合して会議。1日が始まりました。
持ち物は、
・おひるごはん
・すいとう
・タオル
・おしゃれ
きっと家でワクワクしながら考えたのでしょう、大人も子どももイケてるパーティルックでした。
ナイス美術館は企画段階から子どもたちが参加します。
子どもが主役ということでお手製のスタッフ証を子どもたちだけが付けて、初めて会う人にもじもじしながらチームに分かれて搬入作業。

会場について早速、展示とワークショップのレイアウトを考えました。
指示を出す作者と工具を扱う作業班に分かれて会場仕込みが始まりました。
展示台は縦にするか横にするか。横にしたら小さい子が触っちゃわないか。縦だと見にくくないか。自分以外の人の作品も素敵に伝わる方法をみんなで考える。
キャプションには、みんながどうやって作品に向き合ったのか聞いたことを脚色せずにそのまま書きました。どこに貼ったら見やすいかキャプションと使用材料を照らし合わせながら手分けして作業していました。
みんなが来場者の居心地良さを想像していたこと。
大人の指示を待たずにそれぞれが「こうやったら素敵」の思いを持って伝えて選べる判断力と連携が圧巻でした。
アトリエで実践している道具の使い方やチームワークが光っていました。









予想より早く設置作業が終わり、お昼休憩。
こちらは「静かな部屋」として、ゆっくりいたい人・人混みが苦手な人が過ごせる休憩室に使っていました。
みんなといるのは好きだけど疲れちゃう、ひとりになりたい人も来るし、情報から逃げて休めるスペースがいるよね。人見知りの人も来るよね。そのうえでみんなで過ごせるのが素敵だねって子どもたちと決めました。
部屋が暗くて静かなことが決め手になりました。
子ども11人とスタッフ。気まずい人と盛り上がれる人。学年も過ごし方もバラバラなみんなが集まってご飯を食べていました。
それぞれのお弁当箱に大人の想いと感性がいっぱい詰まっていました。
保護者の皆様、お休みの日にご飯を準備してくださったこと、本当にいつも感謝しています。

13時のオープン前に全員が集合。
子どもスタッフ7人、子ども商店の店主が4人、HARETOKEスタッフ4人、保護者ボランティアさんが3人、伏見区の子ども食堂スパイスカレーKAAYAさんが受付スタッフで2人、ワークショップチームが2人。
21人の大所帯です。
みんなで大きい部屋に集まって2つ約束をしました。
・子ども大人も怪我をしないこと。
・子ども大人も楽しいこと全部やること。迷ったら楽しい方を選ぶこと。
それからみんなで
「はっけよーーーーーーーーーい!」
「のこったーーーーーーーーーーー!!!」
の掛け声と拍手で、ナイス美術館がスタートしました。









開始時間に外は大雨。
それにもかかわらず時間が経つごとに次々と来場者が増え続け、
子ども商店の「買ってくださーーーーーーーーーーーい!!」「今ならお買い得デーーーーーーーす!!」が止みませんでした。
子ども商店は小学生から参加できる作品販売ブースです。値段や販売個数は自分で決めて上限1000円まで売り上げられます。特にタイムセールなどはなかったのですが、架空のお買い得時間が設定されていたことや、自然に競り合いになっていて面白かったです。
飛ぶように作品が売れていました。




子ども商店の他にも、ワークショップブースや自由工作コーナーを設けました。
早々に完売して時間を持て余した人たちや、一般参加の子どもたち、普段アトリエに来ている人とお友達が混じりながら思い思いに過ごしていました。
こちらは録音した声や音をサンプラーを使って音楽にするワークショップ。
連打が炸裂していました。
子どもたちが自由に操作する電子音がBGMとして会場内に彩りを添えていました。
他にも会場内をゴープロ(もどき)で撮影できるコーナーを設けました。


工作コーナーはいつも大人気。
生み出すことに向かう熱気とパワーの洪水で圧巻です。

